Adobe Illustratorには面白い機能があります。
それが「コンセプトからべクター生成」機能。
手描きのイラストを読み込んで、いい感じのベクターデータとして書き出してくれる機能です。
例えばこんなイメージ

Illustratorの生成AI機能については以前こちらの記事でもご紹介しましたが、今回はその中でも特に面白かった「コンセプトからベクター生成」について、より詳しく深堀りしてみたいと思います。
タカハシ手描きイラストをいい感じにデータ化したい方はぜひ参考にしてみてください。

プロフィール タカハシ@VOGELKUCK
Webデザイナー歴20年、Adobe歴25年のフリーランス。これまで多数の大手企業Webサイト制作を行いながら同時にWebメディアVOGELKUCKを運営しています。
まずはいくつかのスタイルを試してみる
コンセプトからベクター生成には事前にいくつかのプロンプト(指示内容)がサンプルプリセットとして用意されており、出力する際にはその中から選んで出力する形となります

また、希望のものがない場合は自分でプロンプトを入力して出力することも可能です。
それぞれの違いを見るために、今回はまず以下の手描きロゴをそれぞれのプリセットで出力してみました

プリセットの違いをみてみる
プリセット別出力結果

同じ手描き画像からいろんなタイプのデザインが出力されて面白いですね。
いい感じに出力されているものもあれば、中には出力途中のような微妙なものも混じっていました。
ワイルドカードなんて、何ですかこれw

すごいことになってますが、Vogel(鳥)という言葉の意味まで理解したとんでもないアーティスティックな作品が出力されました。
タカハシそのまま使えそうなものもありますし、アイデアの参考としても良さそうです。
モデルの違いをみてみる
実はプリセットのほかにも「モデル」とよばれる「生成AIを作ってくれる人(モデル)」もいくつかの種類の中から選ぶことができます

現時点では以下のモデルがこの機能には含まれており、それぞれで出力イメージが異なります
| モデル | 得意なこと | 苦手なこと | 速度 | 画質 |
|---|---|---|---|---|
| GPT Image | 総合力No.1クラス。文字、人物、デザイン、編集が得意 | 生成速度は最速ではない | ◯ | ◎ |
| GPT Image 1.5 | GPT Imageより軽量で高速 | 最新モデルより表現力が少し落ちる | ◎ | ◯ |
| Gemini 2.5(Nano Banana) | 高速な画像編集、自然な会話による修正 | 超複雑な構図は上位モデルに劣る | ◎ | ◯ |
| Gemini 3.0(Nano Banana Pro) | 高精度な文字表現、4K対応、Thinking機能 | やや処理時間が長い | ◯ | ◎ |
| Gemini 3.1(Nano Banana 2) | 品質と速度のバランスが非常に良い | Proほどの細かな制御は苦手 | ◎ | ◎ |
| FLUX 2 Pro | 写真のようなリアルさ、色指定、人物の一貫性 | 日本語文字はGPTやGeminiより少し弱い | ◯ | ◎ |
※補足
なお、アドビの生成AIにはアドビが開発した「アドビモデル」と、提携先のAIを利用する「パートナーモデル」があります。
コンセプトからベクター生成で利用するモデルは2026年7月時点ではいずれも「パートナーモデル」で、こちらで生成した画像を商用利用する場合は、その利用可否について最終的に自分自身で判断・確認する形となります。
ということで、こちらも同じ素材を使ってどのような違いがあるのか見てみます。
プリセットについては今回は「カラー変換16色」で統一して出力してみます。
モデル別出力結果

こちらも本当にバリエーション豊かなものが出力されました。
とはいえ、形については全体的に同じようなイメージなので、色味など表現の仕方が違う形となっています。
FLUXのみなぜかメモ帳的な解釈だったようですがw

Gemini3.0や3.1あたりは特にユニークな表現の仕方でいいですね

多少線がガタついているところもあり、実際に使うには細かく修正が必要そうです。
参照画像を適用を変えてみる
ちなみに、「参照画像の適用度」も変えられるようで、こちらもついでに試してみました。

「カラー変換16色」×「GPT Image1.5」で「大・中・小」と試してみた結果が以下の通り
参照画像の適用度別出力結果

正直、違いは確かにありますが、参照度合いとしての違いは何がどう違うのかあまり良く分かりません。
調べてみると「参照画像適用量を小にするほどAIの解釈で大きくアレンジされる」ようです。
そういう解釈で見てみると、確かに小になるほど「鳥っぽさ」が強くなっているような気もします。
大になるほど「ノートに描いた画像」っぽさを再現しており、小になるほどAIのアレンジが進んで「鳥っぽさ」が表現されたのかもしれませんね。なるほど、面白いです。
様々なモチーフをベクター生成化
というわけで、ここからはコンセプトでベクター生成がどの程度の実力を発揮してくれるのか、以下様々な手描きイラストを使ってベクター生成してみました
- 手描きキャラクター
- 手描きロゴ
- 手描きサイン
- 手書き文字
- 手描きモチーフ
- 手描きデッサン
- 手描きアイコン
- 写真
プリセットとモデルは「カラー変換6色」×「Gemini 3.1(Nano Banana 2)」×「参照画像適用(中)」で統一し、モチーフに応じてプリセットはいくつか追加して生成していきたいと思います。
1.手描きキャラクター
まずは手描きのキャラクターから試してみます。基本的にキャラクター作りは苦手ですが、5種類ほど作ってみました
微妙な猫のキャラ

謎なキャラ

謎の鳥

定番の雪だるま

微妙な宇宙人

いかがでしょうか、この微妙なラフ画w
でもしっかりとベクター画像として出力してくれています。
「カラー変換6色」の他に「ワイルドカード」などを追加してみましたが、こちらの方がよりしっかりした作りでいい感じです。
カラー変換6色の方はなぜか下部分がラフのまま出力されることもあったので、原因は謎ですが、プリセットによって改善されることもあったのでプロンプトが原因かもしれません。
それにしてもワイルドカードはいい感じですね。
適当に描いた宇宙人なんて何ですかこれw

テクスチャもいい味だしてて素晴らしいです

タカハシこういう宇宙人とかは想像力豊かなAIの得意分野なのかもしれませんね。
2.手描きロゴ
つづいて手描きロゴ。こちらもワイルドカードが素晴らしい仕事をしてくれています。
Vogelのロゴ

マーク

50周年のロゴ

Vogelのワイルドカードはすごく色合いも良くてオシャレですね

マークはもうちょっと市のシンボルマークっぽいイメージを想定していましたが、こちらは単純にプリセットで選ぶよりも直接プロンプトを入れた方が良かったかもしれませんね。
3.手描きサイン
つづいて手描きのサインです。線で描いたイメージはどうなるのか試してみました

ワイルドカードは綺麗に出力されましたが、それ以外は下部分がうまく出力されない結果となりました。
上部分は問題なく出ていますので、下部分だけ出ない理由がいまいち分かりませんが、、
タカハシでもワイルドカードはいい感じですね。イラストを削除してサイン部分だけにしても綺麗っぽそうです。
4.手書き文字
つづいて手描きの文字(日本語)を作ってみました。

こちらは残念ながらすべて下部分が出力されませんでした。文字の意味合いは分かる気がするのですがそれ以前の問題でしょうか・・・?
さきほどのVogelのロゴはいい感じに判断してくれていたので、もしかすると日本語特有の「擬音語」の判断がつかず分からないモチーフとしてバグっちゃったのかなという気もします。
5.手描きモチーフ
つづいて手描きのモチーフを試してみました。先程の例があるので「意味が分からないモチーフ」で試してみたところ以下のような結果に

やはりカラー変換に関しては途中で切れてしまいました。カラー変換3色の方は、もはや何ですかこれ。朝日ですかねw
ワイルドカードの方はなんとか解釈してくれて豆っぽいイメージで出力してくれています。
やはりいい感じに出力するうえで「意味合い」が重要な要素なのかもしれないという気がしてきました。
そこで雲っぽいモチーフで試したところ、途中で切れることなくそれっぽく出力してくれたので、やはり意味合いが大切なのかもしれません

6.手描きデッサン
つづいてデッサンっぽいイメージで試してみます。
住宅と木

木

今回はワイルドカードよりも「テクスチャ」の効果が抜群でした。どちらのイメージもテクスチャの出来栄えがいい感じです。
ワイルドカード最強かと思っていましたが、デッサンっぽいイラストの場合はテクスチャが合うということが分かりましたね。
タカハシラフのテイストによってプリセットの相性がありそうです。
7.手描きアイコン
つづいてアイコンっぽいイメージで試してみます。

アイコンは得意そうですね。いずれのプリセットでもちゃんとアイコンっぽく作ってくれます。
タカハシカラー変換3色のAIはなんとなくアドビっぽく見えるのは私だけでしょうかw
8.写真
さいごに写真で試してみました。
実は「コンセプトからベクター生成」は手描きラフだけでなく写真もいけるのです。
というわけで、我が家の中庭テラスで気持ちよさそうに寝ている家族(猫)の写真をベクター生成化してみました

どれもいい感じにベクター化してくれてます!
やはり写真の情報量が充実しているからか、一つ一つのパーツがしっかり作られていますね。
タカハシワイルドカードは色味も素敵でポストカードのようです

これまでの単純なイラストとは違ってアニメ画のような出来栄えです。工夫次第でIllustratorの活用の幅がさらに広がりそうですね。
コンセプトからベクター生成の使い方
というわけで、ここからは「コンセプトからベクター生成」の使い方についてご紹介します。
といっても、プリセットなどはご紹介した通りなので、使い方はとっても簡単です。
「ラフ画像を選択 → オブジェクト → 生成 → コンセプトからベクター生成」と進むとプリセット画面が表示されます。

あとは、冒頭でご紹介したプリセットなどを選んで出力するだけです。
タカハシとっても簡単ですので、ぜひ試してみてください。
生成AIを利用するにはFireflyプランかコンプリートProプランがおすすめ

なお、このコンセプトからベクター生成を利用するにはIllustratorの単体プランのみでは実質利用ができません。
生成AIを作るときに「生成クレジット」というポイントのようなものを消費する仕組みになっており、こちらが単体プランだとほとんどお試し程度(月25クレジット)しか付いていないのです。
タカハシ例えば今回作った生成AIは1回作るために10〜40クレジット消費しました。
そこで、もし生成AIも使いたいという方はFireflyプランという生成AI専用プランの追加契約か、もしくはイラレ単体をやめてAdobe Creative Cloud Proの契約がおすすめです。
※以下は2026年7月時点の価格
Adobe Fireflyプラン
| プラン | 月額(税込) | 月間生成クレジット |
|---|---|---|
| 無料 | 0円 | 25 |
| Firefly Standard | 1,580円 | 2,000 |
| Firefly Pro | 3,180円 | 4,000 |
| Firefly Pro Plus | 6,600円 | 10,000 |
| Firefly Premium | 31,680円 | 50,000 |
Adobe Creative Cloudプラン
| プラン | 月額(税込) | 月間生成クレジット |
|---|---|---|
| Creative Cloud Pro | 9,080円 | 4,000 |
| Creative Cloud Standard | 6,480円 | 25 |
※利用者が解約しない限り自動更新となります
※解約時に手数料が発生する可能性があります
もしイラレ+生成AIしか使わないという方であればAdobe Illustrator+Firefly Standard(またはPro)が安くておすすめです。
また、生成AIは同じようにPhotoshopやPremierなどでも利用できるため、イラレ以外にも利用したいという方であればAdobe CC Proも合わせて検討してみてください。
※Standardは生成クレジットがお試し程度しか付いていないのでこの場合はおすすめできません。
タカハシちなみに、Adobe CC Proはセールなどで安く契約できる場合があります。以下の記事でまとめていますのであわせてご覧ください

その他購入ページはこちら
さいごに

というわけで、今回はIllustratorの「コンセプトからべクター生成」をより詳しく深堀りしてみました。
いい感じに出力されるものもありますが、判断が難しいものに関しては生成AIも出力に苦労している感じですね。
なので、ラフを描く際はある程度意味を持たせたり、もしくはいくつかのプリセットを試してみると良い結果が得られるかもしれません。
なお、以下の記事では今回ご紹介した機能のほかに、Illustratorに含まれるさまざまな生成AI機能についてまとめてご紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください

タカハシ以上です!とっても利用価値が高いので、ぜひ試してみてくださいね!

